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α7C2のクリエイティブルック

本日は、α7CIIのクリエイティブルック機能について、詳しくみてみたいと思います。

α7CIIのクリエイティブルック

α7CIIのクリエイティブルックとは?

クリエイティブルックとは、α7C2に搭載された「写真の雰囲気を変える」設定です。

RAWでレタッチする人にはあまり関係ない・・・と思っていましたが、意外とこれが使い勝手がいいんです。

JPEG取って出しのクオリティを高める機能として、最近けっこう使っています。(動画も雰囲気が変わります)

おおまかには、以下の10種類があります。

①ST(スタンダード) 標準
②PT(ポートレート) 肌を柔らかく
③NT(ニュートラル) 彩度・シャープネスが低く、落ち着いた雰囲気。
④VV(ビビッド) 彩度・シャープネスが高く、色彩豊かな雰囲気。コントラスト強め。
⑤VV2(ビビッド2) 彩度・シャープネスが高く、色彩豊かな雰囲気。コントラスト弱め。
⑥FL 落ち着いた発色にメリハリのあるコントラストを加えた。
⑦IN コントラストと彩度を抑えたマットな質感(光沢感がない)。
⑧SH(シャイン) 透明感・柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気に。
⑨BW(白黒) 白黒モノトーン。
⑩SE(セピア) セピア調。

①~⑩の通し番号は、分かりやすさのためにつけています。

ちなみに、ソニー公式HPではこのようになっています。

★FL

落ち着いた発色と印象的な空や緑の色味に、メリハリのあるコントラストを加えることで雰囲気のある画像に仕上げます。空、海、山などの自然風景や、青空を背景にした被写体にも適します

★IN

コントラストと彩度を抑えたマットな質感になります。シックな雰囲気や、重厚なイメージを表現したいときなどにおすすめです。

★SH

透明感・柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気の仕上がりになります。ふんわりと優しい雰囲気を醸し出したいときなどにおすすめです。

★VV2

明るく色鮮やかな発色で、明瞭度の高い画像に仕上げます。色鮮やかな被写体やカラフルなシーンをより印象的に表現したいときはもちろんのこと、ハイキーで色が浅く感じられるときや、曇りなど被写体の色が沈みがちなときなどでも、色をより鮮やかに表現することができます。

ソニーHPより

 

論より証拠!実際の画像をみていきましょう。使用カメラはα7CIIです!

写真の比較!α7C2のクリエイティブルック

クリエイティブルック10種類の比較です、ドン!!

箕面勝尾寺の勝ちダルマです。どうでしょう?

ダルマの赤さ」と「光の陰影」に注目してそれぞれの画像をみていただくと、違いが分かりやすいです(彩度とコントラスト)。

ソニーのセンサーは彩度が強めに出る傾向があるように思いますので、個人的には③NT、⑥FL、⑦INなどが落ち着いた感じがして好みです。

③NTが一番フィルムカメラっぽい印象に見えると思うのですが、いかがでしょうか?

風景でみてみましょう。

③NT、⑥FL、⑦INは落ち着いた感じがしますが、赤い伽藍を強調したい場合には、④VV、⑤VV2ありですね。ちなみに④VVより⑤VV2の方が全体的に明るくなり、コントラスト弱めです。

続いて、曇りの状態をみてみましょう。紅葉の常楽寺(滋賀県湖南市)。

ポイントは、あいにくの曇りで紅葉に光が当たっていない状況だということです。

上四つは紅葉が暗めにうつっており、⑤VV2、⑥FL、⑦IN、⑧SHは紅葉が明るめにうつっています。

ともに彩度・シャープネスの高い④VVと⑤VV2ですが、この写真が違いが分かりやすいです。

⑤VV2の方が全体が明るくなり、沈んだ色が持ち上げられています。⑥FLもいい感じ。

曇りでも比較的使いやすいのは⑤VV2と⑥FLの二つでしょうか?

⑦IN、⑧SHも明るめになるのですが、空の白さと色被りしがちです。

 

つづいて、日の出の状況をみてみましょう。

太陽が水平線上から顔を出し、肉眼では崖が赤く染まっている岩手県・北山崎です。

これはなかなか難しいのですが・・・肉眼的に一番近いのは①STです。しかし、崖に当たる光量が肉眼程には強調されておらず、結果として作品としてはFLのあたりが個人的には一番好きです。

一部拡大してみてみます。

 

意外と海の色が全然違うことに気づきます・・・設定によって、かなり雰囲気が変わりますね~

このように、同じシチュエーションでもかなり雰囲気の異なる写真を生成することができるのがクリエイティブルックです。

クリエイティブルックのJPEG取って出しで良い雰囲気が出せると、RAW現像の手間が省けることもあります。

 

 

 

クリエイティブルック、もっと詳しく比較!

以上、大まかな比較写真を見てきましたが、つづいてもっと大きな写真で詳細にみていきましょう♪

色のコントラストが目立つ紅葉写真:茨木市大門寺

色コントラストがシビアな紅葉写真でどうなるか、具体例をみていきましょう。

茨木市大門寺、赤モミジと青モミジが躍動し、交錯しています 笑

光と影の明暗コントラスト、赤と緑の色コントラストともに強めの場面です。

 

①ST

 

②PT

 

③NT

④VV

 

⑤VV2

 

⑥FL

 

⑦IN

 

⑧SH

 

⑨BW

 

⑩SE

どうでしょうか?肉眼的に一番近いのは「③NT」。こういう明るく、色がはっきりしている場面では「④VV」がいいかも知れません。ちょっとふわっとした雰囲気になりますが、「⑦IN」と「⑧SH」も赤と緑のコントラストが綺麗に表れています。

 

フラット光で色彩少なめの場面:池田市伊居太神社

上の例とは対照的に、色彩が少なめの場面をみてみましょう。

曇天・フラット光の池田市伊居太神社です。

光と影の明暗コントラスト、赤と緑の色コントラストともに少な目の場面です。

①ST

②PT

③NT

 

 

④VV

⑤VV2

⑥FL

⑦IN

⑧SH

⑨BW

⑩SE

肉眼的には「①ST」もしくは「③NT」が近いのですが、少し眠たい感じがしますので、「④VV」「⑤VV2」で色をくっきりさせる、あるいは「⑦IN」「⑧SH」でちょっとふわっとした感じにする、などの工夫ができる場面と思います。

RAWで調整せずとも、JPEG取って出しであるていど表現を選べるのは素晴らしいですね!

 

 

物撮りでこそ真価発揮か?クリエイティブルック!

いくつかの場面で、クリエイティブルックを試してきましたが、クリエイティブルックが最も役立つのは、物撮りでの雰囲気調整ではないかと思います。

さっそく、みていきましょう♪

 

①ST

②PT

③NT

④VV

⑤VV2

⑥FL

⑦IN

⑧SH

⑨BW

⑩SE

 

どれが正解というのは、もちろんないわけですが、個人的には彩度抑え目な方がしっくりくる感じがします。

「④VV」「⑤VV2」は色がややどぎつく、ケバい感じ・・・

「①ST」も意外と色が目立つんですよね~ 「③NT」の方が落ち着く感じです。

「⑥FL」は若干シネマティックな感じ、「⑦IN」と「⑧SH」はふわっとした感じで、クリスマスツリーのイメージには合っているかもしれません。

風景写真においては「昔の資料写真」みたいになりがちな「⑨BW」と「⑩SE」ですが、物撮りとしては、ありな表現かと思います。

このように、物撮りにおいては、クリエイティブルックを使って独自の世界観を表現しやすそうです。

その他、もう少し具体例

茨木市大門寺。上が①ST、下が⑦INです。

 

 

続いて、モノクロが適しそうな物撮り写真。上が⑨BW、下が⑩SEです。

いかがでしょうか?

JPEG取って出しで、お手軽にこれだけ表現を変えれたら、便利ですよね!

まとめ

以上、ソニーα7Ciiのクリエイティブルックについて、具体例をまじえながら徹底解剖しました。

そのうえで、あくまで「現時点での」「個人的な」考えになりますが、クリエイティブルックのそれぞれの設定が役立つ場面をまとめてみたいと思います。

 

①ST(スタンダード) デフォルト
②PT(ポートレート) ポートレート
③NT(ニュートラル) デフォルトで色がどぎつく感じる時、落ち着いた雰囲気にしたいとき。フィルムぽい。
④VV(ビビッド) 色彩を強調したいとき、STで眠たい感じになるとき、明るい場面が良さそう
⑤VV2(ビビッド2) 色彩を強調したいとき、暗めの場面が良さそう、曇りでも使える
⑥FL 落ち着いた雰囲気で、シネマティック要素を足したいとき
⑦IN マットな質感(光沢感がない)でふわっとさせたいとき。
⑧SH(シャイン) INよりもっとふわっとさせたいとき。
⑨BW(白黒) 物撮り、色彩が少ない場面で。
⑩SE(セピア) 物撮り、色彩が少ない場面で。

いかがでしょう?デフォルトのSTに加えて、はじめに使うとするならば、③NTと⑦INがオススメです。

もう少し使い込んでみるとまた印象が変わるかもしれませんが、α7Ciiを2か月ほど使ってみた時点では、このような感じです。

ご参考になればと思います!

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