ブログ主は、ソニーαシリーズ、フルサイズ入門機のα7Cでフルサイズデビューした初心者です。
そんな初心者がはじめて手にした「Gレンズ」がSEL20F18Gです。
SEL20F18Gを一年ほど使ってみて、初心者なりに特徴がちょっと分かってきましたので、初心者目線で作例交えてまとめてみたいと思います。
カメラのレンズなんて何を使っても大差なし!たかがレンズに10万円以上つぎ込むなんてありえない!!と思っているカメラ初心者向け記事です。
私も昔はそう思っていました 笑
でも、こんな写真が撮れるのはGレンズならではだと思っています。
雨の水滴とか、緑の葉っぱとか、地面の砂利とか、濡れた石段や木造の門の質感・・・どうですか?こういう高解像度の写真は、Gクラスのレンズならではだと思います。
では、いってみましょう!
ソニーEマウントレンズSEL20F18Gは初心者にもおすすめなコスパ最強のGレンズ!
Gレンズとは?
きっとこの記事にたどり着いた読者の方は、そもそも「Gレンズって何やねん?」と思われていることでしょう。
Gレンズとは、ソニーの純生レンズのハイグレードレンズの総称です。一種のブランドです。
さらに上のGMレンズというのがありますが、私を含む初心者にはなかなか手が届かない金額ですので、初心者が手を伸ばせる現実的なハイグレードレンズがGレンズだと思ってます。
α7Cは「世界最小・最軽量のフルサイズミラーレス」が売りですが、20mm単焦点のSEL20F18Gは、サイズも手ごろでα7Cとのセットでとても使いやすいです。
(なお、この記事作成時点で、α7Cは入手困難になっているようです。ソニーストアでの取り扱いなしになっておりました。α7IIIがほぼ同等クラス、一世代先のスタンダードクラスがα7IVになっています)
SEL20F18Gを使った写真で「うおぉ~――(゚∀゚)――!!」と思うのは、こういう写真です。
上の大原三千院(京都市)の写真と同じような感じですが、雨の水滴、緑の葉っぱの一枚一枚、濡れた地面や瓦の質感、木の質感など、この描写力はキットレンズでは出せません。
これは、万博記念公園(大阪府吹田市)の日本庭園のライトアップ写真ですが、葉っぱの一枚一枚の描写・光の陰影・色のグラデーションとかがヤバいです。。。
宝塚行者山東観峰(兵庫県宝塚市)からの日の出。北摂平野の街並みの解像、光と影、朝の空の色の階調なども・・・すごくないですか?
α7Cよりも上のクラスのカメラになると、もっとすごいのでしょうけど、入門機のα7Cでもこれくらいいけます。
以下では、SEL20F18Gの魅力について、更にマニアックに語っていきます。
美しきボケ具合
単焦点レンズといえば、なんといってもそのボケ具合。進歩著しいスマホカメラでも未だに撮れない一枚を、作り出すことができます(ボケはレンズに大きく依存するので、今後もスマホカメラには無理でしょう)。
まず、f値によるボケ具合の違いをみてみましょう。
上がf=1.8, 下がf=5.6です。f=1.8のコーヒー豆nまろやかなボケ具合が分かりますでしょうか?
これこれ。このまろやかなボケ具合が、単焦点レンズ(しかもGレンズ)の醍醐味です。これだけで、ずっと見ていられるw
f=5.6に絞ると、コーヒー豆全体がくっきりと映ります。
では、f値低めの風景写真を見ていきましょう♪
圓光寺(京都市)。苔のボケのグラデーション・・・
圓光寺(京都市)。前ボケで額縁構図。
銀閣寺(京都市)。背景ボケはこんな感じ。
多田神社(川西市)。青もみじと後ボケ。
勝尾寺(箕面市)。だるまの頭の反射が美しき玉ボケに( ´艸`)
樹木
そして単焦点Gレンズの「高解像度」具合がもっとも発揮されるのは、樹木だと思います。
葉っぱの一枚一枚の描出力、そして木の幹の絶妙な陰影・・・
α7C+SEL20F18Gで撮った木の写真はずっと見ていても飽きません。
大原三千院(京都市)。
南禅寺(京都市)。樹木の生命力を感じる逆光写真。
同じく南禅寺。
久佐々神社(能勢町)。紅葉の赤と、イチョウの黄色と、緑の葉の三重奏。
万博記念公園(吹田市)。葉っぱの描写力に加えて、光の陰影と色の階調の凄さよ・・・
万博記念公園(吹田市)。
黒川桜の森の微笑み桜(川西市)。
旧国鉄福知山線廃線跡(宝塚市)。枕木、木製の𣘺の”質感”と共に、躍動する新緑。
夜景(三脚あり)
続いて、ソニーが誇る裏面照射型CMOSセンサーの真価を発揮する夜景写真。
五月山(池田市)。街の明かりの一つ一つが細かく描出されています。
あべのハルカス(大阪市)。東方向の夜景。足下にJR天王寺駅と近鉄あべの橋駅が見えます。
あべのハルカス(大阪市)。北方向の夜景。真正面のオレンジの線が谷町筋。
二年坂(京都市)。
八坂の塔(京都市)。
奈良の壷阪寺(高取町)。光と影のコントラスト、夜空の青のグラデーションも素晴らしい。
石舞台(奈良県明日香村)。異界感抜群。
ほたる。大阪府能勢町某所。
手持ち夜景の凄さ
そして、α7Cは夜景も十分にきれいに撮れるカメラですが、f=1.8の単焦点レンズを使うことで、手持ち撮影の範囲がとても広がります。
α7Cは世界最小・最軽量を売りにしたフルサイズカメラですので、「手軽に持ち運びできる」というのがメリットです。α7Cのそのメリットを最大限に享受するには、いちいち三脚を立てなくても手持ちで撮影可能ということが重要です。
SEL20F18Gは、α7Cの夜景撮影能力を引き出すのに最適なレンズだと思います。
以下、手持ち限定夜景。
八坂神社(京都市)。これくらいの照度があれば、三脚なしで夜景も撮れます。
八坂神社(京都市)。
東寺(京都市)。
大阪駅(大阪市)。
中之島ほたるまち港(大阪市)。軽めのレンズでもありますので、手持ち夜景スナップにも最適です。
高麗橋通り(大阪市)。
奈良の壷阪寺(高取町)。ここは三脚禁止ポイントでしたので、手持ち撮影能力が活きました。
星空
そして、f値の低い広角レンズを持っていたら撮ってみたいのが星空写真です。ソフトフィルター必要です。20~30秒露光しています。
東北某所。さすがに、大阪でここまでの星空は無理・・・
野間の大ケヤキ(大阪府能勢町)。大阪でも能勢ならこれくらいの星空は撮れます。
長谷の棚田と国際宇宙ステーション(ISS)。大阪府能勢町。
大阪市内ではさすがに星空は厳しいですが・・・ZOZOの前澤社長搭乗中のISSの軌跡。
画角
次に20mmというが画角について考えてみたいと思います。
広さのメリット・デメリット
20mmの広角域というのは、素人には取り扱いがわりと難しいと思います。
スナップ感覚で撮ると主被写体が小さすぎたり、周囲の余分な風景が入りすぎたり・・・
「接近して近くのものを大きく撮る」という感覚になれるのに、少し時間がかかりました。まあ、それも素人にとっては良い勉強なのでしょう。(素人が目で見たイメージに近いものが撮れる画角は、35mm前後だと思います。)
圓光寺(京都市)の鐘楼。パース(後述)がかかり、目で見たイメージとは少し違う感じになりますが、それが逆に写真の表現力を高めてくれるのだと思います。
南禅寺三門(京都市)。これも山門の屋根がやや歪み、肉眼での見た目とは少し異なる印象ですが、ダイナミックさは出ているのではないかと思います。
コスモタワー(大阪市・南港)。広い画角は展望台から見下ろす構図で強さを発揮します。パースがかかって足元の道路がダイナミックに見えます。
広いようで狭い
ということで、20mmという画角はけっこう広いのですが、広い広いと思っていたら案外狭かったり・・・
大山崎IC(大山崎町)。ジャンクションと新幹線の交差をもっとワイドに撮りたい気がしますが、20mmではこれくらい。
南禅寺三門(京都市)。紅葉を入れるために接近して撮ると三門全部は入りきらない。
武田尾桜の園の育樹の丘(宝塚市)。新緑の力強さを表現したい一枚ですが、「新緑が覆いかぶさるようなイメージ」のためには、もう少し広い範囲の樹木を写したいところ。
オペラ・ドメーヌ高麗橋(大阪市)。リフレクション写真ですが、もう少し画角が欲しい・・・
あべのハルカス(大阪市)。周囲を歩道橋に囲ませるのは定番構図ですが、20mmでは無理・・・。
エクスペリア1 IIIの16mmで撮影するとこんな感じです。これが正解。
パース効果
パース効果というのは、広角レンズ独特の特徴で、近いものを近く、遠いものを遠く映して、遠近感を強調する効果です。
こんな感じ。
万博記念公園(吹田市)。謎の球体と、観覧車、太陽の塔はかなり遠く離れて見えます。
ここを望遠レンズで撮るとこんな感じ。
望遠を使うと圧縮効果が効いてより遠くのものを近く見せますが、20mmとの差は歴然ですよね。
この広角レンズの「近くのもの(球体)を近く、遠くのもの(観覧車&太陽の塔)を遠く」みせるのがパース効果です。
こういう高層ビルを見上げる構図で大活躍します。上のあべのハルカスもパース効果があります。
梅田スカイビル(大阪市)。
OBPのツイン21(大阪市)。
このパース効果を使うと、人間の目で見るよりは非日常的な写真を撮ることができます。
勝尾寺(箕面市)。だるま目線。パース効果で鐘楼が大きく見えます。
室生寺(奈良県宇陀市)。パース効果で階段を長く見せます。神社仏閣の写真はよく撮りますので、とても使える効果です。
長谷寺(奈良県桜井市)。回廊をパース効果で長く見せます。
旧国鉄福知山線廃線跡のトンネル(宝塚市)。やはり、パース効果を利用してトンネルを長く見せます。
SEL20F18Gの作例集
ということで、初心者にも比較的手が届きやすい”Gレンズ”、SEL20F18Gの特徴を見てきました。
以下では、SEL20F18Gならではという感じの作例を列挙していきます。
千畳敷(青森県深浦町)。
久佐々神社(能勢町)。
万博記念公園・日本庭園(吹田市)。
圓徳院(京都市)。
旧竹林院(滋賀県大津市)。
奈良の壷阪寺(高取町)
黒川桜の森(川西市)。
武田尾・育樹の丘(宝塚市)。
箕面・こもれびの森(箕面市)
大徳寺(茨木市)。
最後に、箕面山わくわく展望台からの北摂の日の出でしめたいと思います。
まとめ
実際に1年間レンズを使ってみた感想として、「ソニーEマウントレンズSEL20F18Gは初心者にもおすすめなコスパ最強のGレンズである」ということについてまとめました。
20mmという画角はやや広く、周囲の無駄なものが映り込みやすいという点で、初心者にはやや扱いにくい面もありますが、逆に写真の画角を勉強するという意味では非常に意義のあることだと思います。広い広いと思っていたら、案外広くもなかったり・・・。
ソニーのフルサイズミラーレスでデビューしたての初心者の方がいらっしゃいましたら、ステップアップとしてぜひおすすめしたいレンズです。35mmの方が普段の見た目のイメージ通りの撮影が可能ですが、このレンジは標準的なズームレンズがカバーする画角ですしね。何か一ついい単焦点レンズを、という方で、特に風景撮影される方にお勧めです。
f値の低さを活かして、星空写真を撮ったり、手持ち夜景を撮ったり、背景ボケを活用したりといろいろ遊べます!ご参考いただければ幸いです。