光の使い方 川西市 撮影記

川西市・黒川桜の森で、樹木の撮り方を真面目に考えてみる

当ブログでは、大阪の発展を願いながら、主に北摂地方の魅力を細々と発信しつつ、フルサイズミラーレス一眼歴1年ちょっとのブログ主がいかに魅力的に地元の写真を撮れるかということに焦点を当てて運営しています。

京都・奈良の写真も多めになっておりますが、今回は北摂の誇る「野生の桜の森」で、「魅力的な樹木の撮り方」について真面目に考えてみたという記録です。

樹木」にひたすらフィーチャーしてみたという観点の記事はあまりないのではないでしょうか!?笑 興味ある人どれほどいるか分かりませんが、いってみましょう!(^^;

川西市・黒川桜の森で、樹木の撮り方を真面目に考えてみる

兵庫県川西市・黒川桜の森は「能勢街道」の終着点、妙見山の少し奥にある、能勢街道の奥座敷とも呼べる場所にあります。大阪府能勢町の県境近くです。

日本の野生種の桜「エドヒガン」が山際に躍動する、それほどメジャーではないB級お花見スポットとなっています。

全体の雰囲気としては、こんな感じです。

横構図か縦構図か

黒川・桜の森を代表する最大の桜といえば、樹高約24m、推定樹齢500年といわれる「微笑み桜」です。

ドン!

こういう巨木を主被写体として取る場合、まず第一に考えないといけないのは「横構図」か「縦構図」かということです。横構図はこんな感じですし、縦構図になりますと下の写真のようになります。

主被写体は変わりませんが、「横構図」の方がなんとなく周囲の雰囲気が分かり、「縦構図」の方が主被写体の存在感が際立ちます

写真は「引き算の考え方」が重要でありますが、「横構図」はあえて引き算せずに状況説明的に周囲の風景を残し、「縦構図」は周囲の無駄な状況をできるだけ引き算した、ということになろうかと思います。

どちらが正解ということもないかと思いますが、横構図か縦構図かを考えるだけで、雰囲気が大きく変わるのが写真の面白いところだと思います。

なお、ブログの記事においては、カラムの関係上「縦構図」の方が大きく表示されてしまうという問題点はあります。

 

順光か、サイド光か、逆光か

次に、樹木撮影においては最も重要な因子ではないかと思う「光の当たり方」について考えてみたいと思います。

次の主被写体は「長老の樹」です。

これは被写体に対してほぼ正面から光が当たる順光。被写体の全体をみせる状況説明的な写真向きですが、「花や葉の輝き」を見せるのは最も良い光の当たり方だと思います。

ちなみに、前節の微笑み桜も順光です。

こちらはサイド光(斜光)。樹に最も陰影がつき、力強い感じが出やすい状況と思いますが、個人的には樹木撮影においては使いどころが難しいと思っています(今のところ)。樹木のフォルムや、木の枝の伸びる向きと上手く組み合わさると、ハッとするような写真になりえますが、今回の「長老の樹」においてはややごく普通な感が否めません。

黒川の森ではありませんが、少し北に行ったところにある能勢・妙法寺の桜をもろサイド光で撮るとこんな感じでした。

影が長く伸びる方向に枝も伸びており、まとまりの良い雰囲気になっているのではと思います。朝とか夕方とか、影が長く伸びる時間帯には狙いどころがある光の条件だと思います。

新緑の風景になりますが、このように森の中に横から差し込んでくる光は、明暗複雑に織りなす光景を作り出し、良き雰囲気の一枚になりやすいと思います(宝塚・武田尾)。

 

黒川の森に戻りましょう。

そして逆光。私のようなフルサイズミラーレス歴1年ちょっとの初心者でも、比較的ダイナミックな雰囲気を作りやすい状況です。

今まであまり意識していませんでしたが、振り返ってみると樹木撮影においてはかなり逆光を好んで撮っていたようです。

逆光写真の基本は、f値を上げて(絞って)、太陽の光条を作り出すことです。これだけで簡単な写真のアクセントができます。

 

さらに、樹木の影が手前に伸びてくる様子を写真に加えると、よりダイナミックな感覚が増します。桜の写真ではありませんが、こんなイメージです。

逆光だと一見、主被写体が暗くなりがちなのですが、樹木撮影においては必ずしもそうではありません。花びらや葉っぱは「透過光」によってかえって明るく描写される場合があります。

こんな感じ。

 

ということで、樹木撮影における最もお勧めの光条件は「逆光」だと思います。

 

木の枝で斜めの線を意識する+額縁を作る

そして、樹木撮影のもう一つのポイントは、「斜めの線の意識」と「額縁を作る」という意識です。

 

微笑み桜の「斜めの線」が映える角度を探した一枚がこれです。

写真は四角い一枚のキャンバスに光景を詰め込む作業だと思います。対角線構図、すなわち「斜めの線の意識」が、樹木のダイナミックさを表現するために重要な因子の一つです。

全体として右下から左上に伸びていく木の枝が、樹木の生命力を表現しているように思えます。

加えて、樹木全体を写さずに、樹幹・枝で「額縁を作る感覚」も重要だと思っています。この写真についてはあとでもう少し詳しく構図解説いたします。

 

先ほどお示ししたこの写真でも、「斜めの線」と「額縁」を少し意識しております。

主幹の一つが左下から右上に伸びつつ、写真下部の木の枝が額縁を作り、そこに囲まれた中に桜の葉がキラキラと光るもう一本の桜の木を副題として小さく入れ込んでいます。

 

Pick Up!

本日の一枚はこれです。

構図的にはこう。

ILCE-7C+SEL20F18G, 20mm, f6.1 1/250秒, ISO 100, RAW

縦構図+半逆光+対角線構図+額縁構図の組み合わせです。

上半分と下半分を対角線で分割しています。画面の上半分を主題の微笑み桜で埋め、左上に向かう斜めの線を意識して、樹の枝と山の稜線が平行になるように配置しています。下半分は、微笑み桜の輪郭を額縁的に使用して、黒川の森の風景を副題として取り入れています。ちょうど半逆光になっており、太陽の方向に向かって枝が伸びていることから、微笑み桜がダイナミックな雰囲気になったのではないかと思います。

けっこう良い感じなのでは・・・写真の上手い方、アドバイスください!

 

なお、黒川の森に関しては、こちらのページもご参照ください。

まとめ

本日は、兵庫県川西市の黒川の桜の森にて、「樹木の撮り方」というマニアックな項目について考察いたしました。

縦構図か横構図か、順光かサイド光か逆光か、そして木の枝の形を意識することで、かなり雰囲気の違った写真を撮ることができます。

主題そのものを強調したいときは順光、影が長く伸びる早朝や夕暮れはサイド光(斜光)、そして初心者が最も手軽にダイナミックな雰囲気の写真を撮れるのは逆光だと思います。

それらに加えて、木の枝で額縁構図を作る意識や、木の枝の生える向きも意識して、切り取る範囲を考えるのが、樹木撮影の醍醐味だと思っています。

 

-光の使い方, 川西市, 撮影記

© 2024 α7Cで撮る北摂の風景 Powered by AFFINGER5