20mmと90mmの単焦点レンズ2本で、「桜大仏」で高名な奈良の壺阪寺(つぼさかでら)の夜桜を撮ってまいりました。
その二本縛りにした理由はあとで詳しく述べますが、まあ一言で言えば明るいレンズがそれしかなかったからです(大三元レンズを持っていない悲しさよ・・・)
さて、標準域のレンズなく、広角20mmと望遠90mmという極端な布陣で、壺阪寺の夜桜はどのように彩られるのでしょう?
20mmと90mmの単焦点レンズ縛りで奈良・壺阪寺の夜桜を撮る
20mmレンズ(SEL20F18G)の作例
では、まず20mmレンズ(SEL20F18G)の作例から見ていきましょう。
私が現在所有している中では最も明るいf=1.8のレンズで、夜景撮影では主力になっているものです。
仁王門。ライトアップされた桜は白っぽく見えます。
ソニーのαは「青色」が強く出る印象です。
ちょっと不自然に見えるときもありますが、このようにマジックアワーのブルー色はめっちゃ綺麗。
ブルーの空と、伽藍と、白く見える夜桜。
色の階調と明度の階調。
20mmの特性を比較的生かせたのではないかと思う作例です。このお寺の特徴は、伽藍や桜が「密集」しているところです。三重塔を主題をして真ん中に、周囲の伽藍の輪郭や、夜桜、石の灯篭を額縁として利用し、描写範囲の広さを生かした20mmの中に「密」の世界を表現できたのではと思います。
本堂。
夜桜に彩られた慈眼堂と二体の石仏。
そして、定番の大仏撮影スポットが下の写真です。
この場所は狭く、三脚NGになっています。つまり、ここでの撮影は手持ち限定!というわけで、明るいレンズ(f値が小さいレンズ)がどうしても必要だったのです。
20mm, f=1.8だとこんな感じです。誰が撮っても同じ構図になるスポットですので、写真の質は純粋にカメラとレンズ性能に依存するという力業に頼らざるを得ない場所。20mmの画角でも、そう広すぎるとは感じず、周囲の雰囲気がよく分かってそう悪くない一枚ですよね。
90mmレンズ(SEL90M28G)の作例
続いて、90mmレンズ(SEL90M28G)での撮影です。マクロレンズですが、f=2.8で夜景撮影にも使えるという優れたレンズです!
ドン!90mm, f=2.8で撮るとこんな感じ。ひとつ上の20mmの作例と見比べてみてください。
標準域のズームレンズを使っているとあまり画角を意識することも少ないですが、20mmと90mmの2パターンしかレンズを持っていないと、かなり画角を意識して撮るようになりますので、私のような初心者には単焦点レンズ縛りは良い勉強になります。
20mm→周辺の風景を含めて広く撮れる
90mm→主被写体にフォーカスして大きく撮れる
ズームレンズのように自由に画角の調節ができませんので、逆に目的が明確になります。
35mmとか50mmの単焦点レンズの方が汎用性は高そうですが、こういう極端な2パターンを持ち歩くというのも画角をより強く意識するという点ではお勧めです( ´艸`)
別の角度から。桜大仏と天竺渡来大観音石像の2ショット。
90mmマクロレンズであれば何か物撮りしたい・・・夜桜の白いボケを背景に、屋根から吊り下げられた灯篭の図。
三重塔と夜桜。
20mm広角レンズとは異なった感じで、90mmの圧縮効果を活かして「密集」を演出。
夜桜が白くライトアップされるのがなんともファンタジックですね~。
Pick Up!
本日の一枚はこれです。
壺阪寺独特の「密集感」を、20mm広角に詰め込めたのではという一枚。
構図的にはこんな感じ。
α7C+SEL20F18G, 20mm, f1.8 1/40秒, ISO 800, RAW
主題は中央の三重塔、副題は夜桜ですが、伽藍や灯籠を使って額縁構図を作って密集感を出すとともに、屋根の隙間、灯籠の隙間、桜の枝の隙間から中央に視線誘導が成り立っているということを多少意識してみました。もう少し三重塔がすっぽり額縁に納まれば良かったのですが、少しガチャガチャした感じになってしまいました。逆に、それが「密」を演出するのに役立っているのかな・・・
写真の上手い方、ぜひアドバイスください♪
アクセス
壷阪寺へのアクセスです。
明日香村の少し南。専用駐車場あります。
大阪からだと、南阪奈道路を使って橿原まで一気に行けるので、意外と遠くは感じません。
まとめ
本日は20mm, 90mm単焦点レンズ(90mmはマクロ)を使って、壷阪寺の桜大仏を撮ったものをまとめました。
ズームレンズより強く画角を意識しますので、私のような初心者にも単焦点レンズはお勧めです。
特に、90mmマクロレンズはこのように夜景撮影もできる優れものです。
ご参考になれば幸いです。